無料ウイルス対策ソフト10選!選び方や有料版との違いもご紹介
ウイルス対策ソフトは、企業の情報資産を守るためにもぜひ入れておきたいツールの1つです。しかし、世の中には数多くのウイルス対策ソフトが出ていて選ぶのが一苦労と感じている方もいるのではないでしょうか。本記事では、無料のウイルス対策ソフトの選び方や有料版との違いからおすすめのウイルス対策ソフトも紹介しています。ぜひ、検討にお役立てください。
無料ウイルス対策ソフトを選ぶ際のポイント
無料ウイルス対策ソフトを選ぶ場合は、適当に選ぶと失敗します。上記のポイントをしっかり抑えておけば、失敗せずに導入ができるでしょう。
第三者機関の評価は高いか
ウイルス対策ソフトは第三者機関からの評価が高いものを選ぶようにしましょう。無料とはいえ、パソコンを守ってくれないのであれば意味がありません。ある程度知名度のあるウイルス対策ソフトであれば、第三者機関から性能評価を受けているので検討する際の指標になります。以下は、代表的なウイルスソフトの評価機関です。
- AV-TEST
- AV-Comparatives
- Virus Bulletin
- MRG-Effitas
それぞれ独自の評価軸で調査をしていますので、各機関で平均して評価が高いものを選ぶのがおすすめです。
パソコンOSに対応しているか
利用しているパソコンのOSに対応しているかも重要です。自身の環境にあったウイルス対策ソフトかを確認するためにも、推奨環境などスペックが記載されているページを参照しましょう。
パソコン以外にも、スマートフォン(iOSやAndroid)に対応している製品もあります。業務で利用しているデバイスが複数あるのであれば、すべてカバーできるものが望ましいでしょう。
無料広告が多くないか
無料ウイルス対策ソフトがなぜ無料なのかというと、広告で収益を出しているからです。広告の中には、有償版へのアップグレードを促すものもあります。広告を表示しようとするたびにパソコンに無用な負荷がかかるため、動作が重くなる可能性があります。
- 突然パソコンの動作が重くなった
- パソコンの起動に時間がかかるようになった
などの弊害が出る可能性があります。口コミなどを見ながら、過剰に広告が表示されるウイルス対策ソフトは選ばないようにするのがポイントです。
更新プログラムは頻繁に行われているか
更新プログラムが頻繁に配布されている製品は「常に最新のセキュリティ体制を整えられる」といえます。なぜなら、セキュリティ対策の肝は、常に最新の脅威に対策できるようアップデートしていることだからです。
サイバー犯罪はあらゆる手を使って企業の機密情報や個人情報を狙ってきます。いくらセキュリティ対策をしても、次々と新しい攻撃手法が編み出されているのが実情です。対抗するためには、ウイルス定義ファイルを更新する必要があるのです。
おすすめ無料ウイルス対策ソフト10選
ソフト |
主な機能 |
対応OS |
Windows Defender |
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Windows10、11 |
アバスト無料 アンチウイルス |
|
Windows、Mac、Android、iOS |
キングソフト セキュリティPro |
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Windows、Android、iOS |
Bitdefender Antivirus Free |
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Windows、Android、iOS |
Emsisoft Emergency Kit |
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Windows 7、8、8.1、10 |
Portmaster |
|
Windows、Debian/Ubuntsu、 Fedora |
AVG無料 アンチウイルス |
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Windows、Mac、Android、iOS |
Avira Free Antivirus |
|
Windows、Mac、Android、iOS |
360 TotalSecurity |
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Windows、Mac |
EmoCheck |
|
Windows 8.1、10、11 |
WindowsDefender
※画像引用元:WindowsDefender
WindowsDefenderのおすすめポイント
- Windowsに標準搭載されているためインストールの必要なし
- Microsoftが開発しているウイルス対策ソフトで信頼性は高い
- ほかのWindowsアプリケーションとの高い親和性
WindowsDefenderは、Microsoftが開発・提供しているウイルス対策ソフト。OSに標準搭載されており、Windowsユーザーならあらためてインストールする必要がないのが特徴です。Microsoftはセキュリティ対策に高い関心を持っていて、5年間で200億ドル(約3兆円)を研究開発に投じることを発表。セキュリティ人材の採用も強化するなどしています。
そのため無料とはいえ、高いセキュリティ信頼性を期待できるでしょう。Windows標準であることから他のWindowsアプリケーションとの親和性が高いのもポイント。離席ロック機能や多要素認証などをシームレスに利用できます。
WindowsDefenderの概要
会社名 |
Microsoft |
主な機能 |
|
対応OS |
Windows10、11 |
アバスト無料アンチウイルス
※画像引用元:アバスト無料アンチウイルス
アバスト無料アンチウイルスのおすすめポイント
- 30年以上の運用実績を誇る
- 評価機関から最高レベルの評価
- マルチプラットフォームに対応
アバスト無料アンチウイルスはチェコに本拠地を置くAvast Softwareが開発・提供するウイルス対策ソフト。30年以上の運用実績と2022年にはウイルス対策ソフトのの第三者評価機関であるAV-Comparativesから最高評価を得るなど、高い外部評価を誇るウイルス対策ソフトです。無料でありながらWindows、Mac、Android、iOSとあらゆるプラットフォームで動作するのもアバストの特徴。
アバスト無料アンチウイルスの概要
会社名 |
Avast Software s.r.o. |
主な機能 |
|
対応OS |
Windows、Mac、Android、iOS |
キングソフトセキュリティPro
※画像引用元:キングソフトセキュリティPro
キングソフトセキュリティProのおすすめポイント
- 誰でも使えるように設計されたシンプルなUI
- パソコンのメモリ利用状況を監視するユニークな機能
- ブラウザ拡張機能も搭載でフィッシングサイト対策も可能
キングソフトセキュリティProは日本企業が手がけるウイルス対策ソフトです。基本的なウイルススキャンはもちろん、パソコンのメモリ利用状況を監視して動作が遅くなる要因を検出して表示してくれる「PC加速機能」「加速ボール」などユニークな機能も搭載しています。また、ブラウザ拡張機能もあるので危険なサイトをブロックするフィッシングサイト対策としても導入できる製品です。
キングソフトセキュリティProの概要
会社名 |
キングソフト株式会社 |
主な機能 |
|
対応OS |
Windows、Android、iOS |
Bitdefender Antivirus Free
※画像引用元:Bitdefender Antivirus Free
Bitdefender Antivirus Freeのおすすめポイント
- カスタマーサポートつき
- 評価機関から常に高い評価を受けている
- アワード受賞の常連
Bitdefender Antivirus Freeは、評価機関の成績で常に上位にランクインしているBitdefenderの無料版。基本的にインストールするだけで設定する必要はなく、手軽にパソコンを守れます。Bitdefender社は本社がルーマニアにあり、業界アナリストのガートナー社やAV-TESTのアワードを受賞するなど高い評価を受けています。なにかあったときに頼りになるカスタマーサポートつきで安心です。
Bitdefender Antivirus Freeの概要
会社名 |
BitDefender LLC |
主な機能 |
|
対応OS |
Windows、Android、iOS |
Emsisoft Emergency Kit
※画像引用元:Emsisoft Emergency Kit
Emsisoft Emergency Kitのおすすめポイント
- インストール不要で持ち運びができる
- 複数のスキャン機能で細かい運用が可能
- ほかのウイルス対策ソフトと併用可能
Emsisoft Emergency Kitは、オーストリアのEmsisoft GmbH社が開発しています。Emsisoft Emergency Kitの大きな特徴として、USBメモリで持ち運べるポータブルウイルス対策ソフトであることが挙げられます。たとえば、業務上新しくソフトウェアをインストールできない環境で作業をする場合などにおすすめのウイルス対策ソフトです。
クイックスキャンやディープスキャンなどが選べる「Emergency Kit Scanner」やコマンドラインから実行できる「Commandline Scanner」もあり、用途にあわせた運用が可能。また、ほかのウイルス対策ソフトがインストール済みの場合でも併用でき、利用したい機能があれば追加運用できるのもポイントでしょう。注意点として、個人・非商用利用に限り無料で利用できるため、エンタープライズの場合はお問い合わせください。
Emsisoft Emergency Kitの概要
会社名 |
Emsisoft GmbH |
主な機能 |
|
対応OS |
Windows 7、8、8.1、10 |
Portmaster
※画像引用元:Portmaster
Portmasterのおすすめポイント
- オープンソースのウィルス対策ソフトで制限がない
- セキュアDNSを搭載
- Linux OSにも対応
少し変わり種としてご紹介するのはPortmaster。オーストリアのSafing ICS Technologies社が開発したオープンソースのウイルス対策ソフトです。オープンソースのライセンスは「AGPL-3.0」とやや強制力の高いものですが、単純に利用する分には問題ありません。ウイルス対策ソフトとしては珍しくLinux OSにも対応しているため、LinuxOSを運用しているのであればおすすめの製品といえます。
セキュアDNSやネットワークモニターなど、初期設定でも十分な機能を有します。通信ログやVPNを上回る機能を持つSPNを利用したいのであれば、有料版に切り替えるのもおすすめ。開発の支援にもなります。
Portmasterの概要
会社名 |
Safing ICS Technologies GmbH |
主な機能 |
|
対応OS |
Windows、Debian/Ubuntsu、Fedora |
AVG無料アンチウイルス
※画像引用元:AVG無料アンチウイルス
AVG無料アンチウイルスのおすすめポイント
- マルチプラットフォームで動作
- 評価機関からも高評価
- リアルタイムアップデートでゼロデイ攻撃にも強い
AVG無料アンチウイルスは、Avast社の子会社「AVG Technologies」が開発したウイルス対策ソフト。マルチプラットフォームで動作し、業務で利用するデバイスをしっかり守れるのが特徴です。評価機関からも高評価を得ており、機能面で不満に感じることは少ないでしょう。
また、24時間365日オートスキャンでパソコンを保護しており、マルウェアが侵入して動作する前に検出が可能です。リアルタイムアップデートもあるので、脆弱性が発見されてすぐに攻撃される「ゼロデイ攻撃」にもいち早く対応できます。
AVG無料アンチウイルスの概要
会社名 |
Avast Software s.r.o. |
主な機能 |
|
対応OS |
Windows、Mac、Android、iOS |
Avira Free Antivirus
※画像引用元:Avira Free Antivirus
Avira Free Antivirusのおすすめポイント
- 35年以上にわたる実績
- 無料でオンラインの脅威から保護
- 人工知能によるプロテクションを実現
Avira Free Antivirusは、35年以上にわたる実績を持つドイツのAvira Operations社によって開発されています。その性能は高く、無料にもかかわらず毎年4,500万以上の感染サイトや360万のフィッシング攻撃、1,000万以上のランサムウェアからの攻撃をブロックしています。
さらに、人工知能を搭載したクラウドスキャンは、未知の脅威からもデータを保護。必要に応じて追加できるツールも豊富なため、安心して使えるウイルス対策ソフトといえるでしょう。
Avira Free Antivirusの概要
会社名 |
Avira Operations GmbH |
主な機能 |
|
対応OS |
Windows、Mac、Android、iOS |
360 TotalSecurity
※画像引用元:360TotalSecurity
360 TotalSecurityのおすすめポイント
- Microsoft推奨のウイルス対策ソフト
- 軽い動作でパソコンへの影響を最小化
- WindowsとMacに対応
360 TotalSecurityは、中国有数のセキュリティ企業360が提供するウイルス対策ソフトです。WindowsとMacの両プラットフォームに対応し、Windows 10対応のウイルス対策ソフトウェアとしてMicrosoftから推奨されるほどの実力を持ちます。スパイウェア、ウイルス、ルートキットなどのマルウェアの侵入を検知するリアルタイム保護機能だけでなく、動作が軽く、パソコンの挙動にほとんど影響を与えないのが特徴です。
360 TotalSecurityの概要
会社名 |
360 |
主な機能 |
|
対応OS |
Windows、Mac |
EmoCheck
※画像引用元:EmoCheck
EmoCheckのおすすめポイント
- Emotet専用の感染有無確認ツール
- 無料でEmotetの感染が確認できる
- Emotetへ感染の疑いがある端末を発見可能
EmoCheckは、一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)によって提供されているEmotet専用の感染有無確認ツール。Emotetは、高度に偽装されたメールを取引先や関係者に送信して感染拡大するマルウェアで、近年被害に遭う企業が増加しています。
Emotetの特徴として、メールの添付ファイル(WordやExcelなど)からマクロ実行されるため、ウイルス対策ソフトで防ぐのが難しいことが挙げられます。さらに、被害が拡大してしまうと感染端末を見つけ出すのも難しいマルウェアです。
本ツールは、Emotetへ感染の疑いがある端末を発見し、対処するために利用できます。ただし、発見はできても削除はできません。感染が認められた端末は所定の手続きで初期化するのが望ましいでしょう。
EmoCheckの概要
会社名 |
一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC) |
主な機能 |
Emotetの検知 |
対応OS |
Windows 8.1、10、11 |
有料ウイルス対策ソフトは何が違う?
最後に、有料ウイルス対策ソフトは無料のものとは何が違うのかを見ていきます。要件によっては有料ソフトの購入も検討してみてください。
セキュリティ機能が豊富
有料ソフトでは、基本的なウイルス検出機能以外にも機能が充実しています。具体的には以下の機能が挙げられます。
- ファイアウォール
- スパムチェック
- パケットフィルタリング
- パスワードマネージャー など
無料版では利用できない高度なセキュリティ機能を備えているため、セキュリティ要件が厳しい企業では有料版が採用されます。
また、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなどのマルチプラットフォームで動作する製品もあり、業務で利用するデバイスすべてをカバーできるのも魅力です。
高いウイルス検出率
ウイルス検出率とは、評価機関がテストした際にどれだけのウイルスを検出したかを表したものです。有料ウイルス対策ソフトは、その多くが100~98%台を誇ります。ウイルス検出率が高ければ、多くの脅威からパソコンを守ることができるので安心です。
無料のウイルス対策ソフトでも検出率が高い製品もありますが、検出率は少しでも高いに越したことはありません。大切な情報資産を守るため有料版を利用するのは、将来的な投資と考えることもできるでしょう。
軽快な動作環境
有料版のウイルス対策ソフトは、無料版とは違い広告を出すことがありません。そのため、不意に広告が表示されたりパソコンの動作が重くなったりということがないのが特徴です。集中しているときに広告が表示されるのは非常に煩わしいもの。広告を外すためだけに有料版を利用するユーザーもいるほどです。
可能であれば、ウイルス対策ソフトは存在感をなるべく出さないものが望ましいでしょう。そのためにも有料版を検討してみてはいかがでしょうか。
【まとめ】無料ウイルス対策ソフトを紹介しました
本記事では、無料ウイルス対策ソフトの選び方や有料ソフトとの違いなどについて解説しました。企業情報が流出してしまうと、事後対応で営業活動が停止してしまう危険性だけでなく、社会的にも信用を失う結果になります。とくに個人情報の流出はニュースで取り上げられるほどの大事件です。サイバー犯罪から身を守るためにも、セキュリティ対策ソフトはインストールしておきましょう。